慣れた運転さばき
砂ぼこりがちりちる
車外の世界
窓はいっきに砂のスクリーン
何百メートル先の気配
空と大地の境界線めざし
でこぼこのミニカーレース
まっすぐにのびる
一枚の砂煙のショール
何にもない何にもない
ああ
あ
あ
あああ
長く少しずつ
空と大地は濃くなって
ぶどう色のにじみは溶けて
たどり着いたのは塩のホテルの小さな村
思った以上に清潔なベッド
お湯はでないよ水シャワー
出会ったバックパッカーどうしでサッカー
高度4000メートルで
息もきれずに点をとる
ボリビア人のあだ名はペレ
期待していた満点の星を隠した
はりぼての満月
満面の笑みを浮かべて
そこに住む人や
訪れた人や
誰もいない大地を
らんらんと
照らしているだけ
同じだけ
ゆれや づれや
ながれや はやさは ちがえど
それぞれの時代を生きた時の輪が
こうして目の前で
ゆっくりと交差していく姿
10年や20年で時代とよべあう時間の中に生きる私と
何万年も何億年も昔から形を残す風景が
一緒に存在している
時代と時代の出会い
壮大な時の輪にのまれ
ただただ 立ちつくしてしまう
そうか なんも わからんけど
こころがしんと
ゆっくりして
ぼーっと
立ちつくしてしまって
z a z a z aaa z z z