サンクリストバル・デ・ラスカサス
メキシコの南 チアパス州の街
標高が2200メートルと酸素も少し薄いせいか
少し胸を圧迫されるよな感じ
日射しは強いのに肌寒く
昼と夜の寒暖差が激しい
山に囲まれてとてものんびりした
コロニアルな雰囲気の素敵な街
グアテマラとの国境も近く
周囲には遺跡も多いせいか観光客も多く
ヒッピーもたくさん見かけた
そんな中
羊毛の毛足の長いモコモコのスカートに長い三つ編み
ビビットな色のシャツを着て歩く先住民をたくさんみかける(とてもオシャレ)
とっても背が小さくて険しい顔をして
両手には身体と同じくらいの大きさの
たくさんのカラフルなお土産物を抱えて歩いている
それら全部がぜーんぶ本当に可愛くて
この国の人たちの色使いや技術や美意識の高さには
脱帽させられる
その先住民は
サンファンチャムラと言う村の人たちで
バスに乗って物売りに来ている
そんなモコモコのスカートをはいているのに素足にスリッパって
冷えは大丈夫かと心配してしまう
先住民のキーホルダーやカラフルな織物のベルトやマフラーなんかを
買って買ってとごり押しで売りにかかる姿は
とてもしたたかで 冷えなんかを心配したこちらのほうが
なんだか肩すかしをくらわされた感じで
自分がとても弱くぬるく見えてしまった
ほんの5歳もいくかいかないかくらいの子供も
大人顔負けの姿で靴磨きをしていたり
同じ大きさくらいの妹や弟を抱っこして
母親の手伝いをしていたり
物売りにきたりする
持っているあめなんかをあげると
大人びた表情でグラーシアスと微笑まれ
なぜだか ドキッとしてしまった
小さな大人だ
サンファンチャムラが気になって
バスに揺られて30分
スペインから征服された500年くらいの間
先住民はスペインから強要されたカトリックに
本来の自分たちの宗教要素を
土着化するしたたかさを持ったおかげでこの教会も
とても独特な空気感をもつ空間になっていた
松葉に一面おおわれた床に少しのスペースをあけ
たくさんのローソクを灯し何やら聴いたことないリズム感の
呪文をひたすら唱えている家族が何組か
横には死んだ鶏とビールとスプライトで乾杯している家族もいて
少し隣に座らせてもらって眺めていたら
テキーラのショットが回ってきた
グラーシアスと礼をして舐めたら
飲み干せと促され 飲んだら 身体がかーっと熱くなった
煙がもんもんと立ちこめ トリップしてしまう
厳かで決して和やかでなく
どこか悲しく
でも 優しく
そんな景色をぬるま湯につかって
ぼんやりみている感触
ここはどこまでもとーーーい国だ
ああ 風邪ひいた